がっかり
- DEVILmama
- 2019年6月6日
- 読了時間: 2分
更新日:2019年6月11日
山田詠美の読んだことない本を十五年ぶりに開いた。がっかりだった。三ページでほっぽちまった。
この人の子供の目線は子供の目線なんかじゃない。三十歳とか四十歳のおばさんが子供の目線をかぶってんじゃねえか。一三、一四歳の子供の頃からこの人の文に触れてどれだけ劣等感を持ったか。同じ子供としてなぜ、こういう風に思慮深くないのかな。深く悩んだもんです。あたりめえだ。大人が考えてるんだから。正直に言ってくださいよ。だったらカッコいい大人目指しますよ。娘に読ませるという視点で読んで初めて、こいつ、仮面だ、子供目線のっていう作為に気づく。まぁ、わかる子供はわかるんでしょう。
昔の作品と最近の作品という優劣の差はあるのかもしれないけど。昔の作品でさえよくよく考えてみると、うっすら赤いマニキュアを残したまま高校に登校してきて、学校なんて上の空の女子高生とか、バニラエッセンスを足の指に擦り込むような中高生なんて、いるわけね。ああ、かっこいいなぁなんて思わされて、今、非常に腹が立っている。どっちにしろ迷惑だ。優越感と劣等感で操られた恨みが心にもたげる。
池田晶子に出会ったのが三十一歳。その後ソクラテスに出会って、それまでの読書関係は読書じゃねえと思った私だったが、それは正しかった。作家と言われる連中、嘘ばっか盛りやがって。悲劇喜劇ロマンス全般だ、気をつけましょう。開高健に関しては、急いで読み返して、盛ってねえなと安心している。しかも、面白い。
山田詠美さんに関してはいい話もたくさんあるので、皆さんも代表作は読んでみてと思います。子供目線じゃなく描かれる子供の目線はよくわかる。けれども自責の念を語らない作家には???がどうしても心にもたげてしまう。そんなもんだけどさ、冷たいじゃん。である。私は昔の秀逸だと思った作品は心に強く残っているので、彼女の作品を二度と開くことはないだろう。じゃんねん。こういう時って恨みを抱きがちですが、飯も音楽も酒も美味しいものをたくさん教えてもらったんで、感謝の念も多分にあります。
ただし・・・。歳をとればとるほど、いいと思って追いかけていたものが、後退していくんですね。だから毎日つまんないのです。オチも仕掛けも分かっちまうと面白くもなんともねえ。音楽だけはいいものはいいんですが、飽きは襲ってきて、なかなか目新しい心踊るいいものっていうのは年々少なくなるのです。歳をとるってつまんねーなーと思うのでした。

この方のおかげで初めて自分で発掘した記念の一曲。
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